宇宙

月に日本の車が走る日が来る?月面基地の建設用重機が完成 JAXA

  米国のアポロ計画から約半世紀、中国が月の裏側に探査機を送ったり、NASAが5年以内に再び有人探査を行う計画を発表するなど、世界中で月開発に乗り出す機運が高まるなか、宇宙航空研究開発機構(JAXA)は28日、大学などの研究機関と3年かけて共同開発を進めてきた月面基地を建設するための重機を発表した。

 

 将来、月や火星に人間が長期滞在する拠点基地が必要になった場合、月には酸素もなく、人体に有害な強い放射線が降り注いでいるため、地球上から遠隔操作で重機を動かせる技術が必要となる。

 

 しかし、月から地球までは約38万キロ離れているため、通信には時間がかかり、遠隔操作による作業には効率や精度面の課題が残されている。

通信遅延があっても自律制御

 JAXAは2016年以降、芝浦工業大学や電気通信大学などの研究機関や、建設大手の鹿島建設と共同で月面基地を建設する技術について共同開発を進めてきたが、このほど自律・自動運転できる次世代型の建築重機が完成し、28日に公開された。

 

 公開された重機は、7トン級のダンプカーとショベルカーの2種類で、どちらにも車体の位置や方位を計測する機器や自動運転制御システムを搭載しており、3〜8秒ほどの通信の遅れがある場合でも、重機の操作性や安定性を失わずに、作業できたり、状況に応じた動作を重機自身が判断できる機能などが備わっているという。

トヨタとも…

 建設業界では以前から、従来の人材不足や熟練した技能者の減少に備えて、重機の自律・自動運転技術の開発が進められており、鹿島では2015年、「クワッドアクセル」と呼ばれる独自の建設生産システムを開発して、実際の建設現場に導入してきた。今回、月面基地建設用に開発したのは、この技術を応用したものだという。

 

 JAXAはすでにトヨタ自動車とも共同で、月面探査車の開発をめざすことを発表している。自動車大国・日本の車が月面を走る日もそう遠くないかもしれない。 

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