医療技術

「1日ビール4本」で脳の成長が遅れる サル71匹を調査 米国

 健康診断や人間ドックで「酒の飲みすぎ」を注意されたあなた。検査が無事済めば、安心感からつい飲みすぎてしまう人も少なくないが、飲み過ぎは肝臓への影響だけでなく、脳の成長も遅らせるという。

 

 神経科学誌「eNeuro」に今月1日掲載された論文によると、米オレゴン国立霊長類研究センターの研究チームは、思春期後半から成人初期にあたる3歳半から7歳半までのアカゲザル71匹を対象に、アルコールを毎日飲ませる実験を1年間続けた。

 

 その結果、正常なサルでは、脳の容積が1ml成長するのに、1年10カ月あまりかかることが判明。これに対して、毎日体重1kgあたり、アルコール1gを与えていたサルでは、脳の成長速度が年間0.25mlずつ遅れることがわかった。

 

 具体的に脳のどの部分に影響するかを調べたところ、大脳の表面部分の大脳皮質はどちらも変わらなかったが、嗅覚以外の視覚や嗅覚、体の感覚などを担う視床の成長が抑えられることがわかった。

 

 研究チームによると、アカゲザルの体重1kgあたり1gのアルコール量は、人間に換算するとビール4本に含まれるアルコール量に相当するという。

 

 アルコールの過剰摂取が、サルと同じように人間の脳にも影響を及ぼすかどうかについては、アルコール依存症の患者が亡くなった後に提供された脳を調べるしか今のところ手段はないが、研究者のひとりのタチアナ・シュニコ准教授は、「アルコール摂取を停止後に、脳の成長が回復したケースもある」と述べている。

 

 研究チームは、今後はアルコールの過剰摂取が、うつ病など精神面にどのように影響するかについて調査を広げると話している。

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