感染症

エボラ熱流行のコンゴ あいつぐ病院襲撃 疫学者3人が死傷 WHO

 

 エボラ出血熱が猛威をふるっているアフリカ中部コンゴ民主共和国では、複数の医療施設が襲撃される事件があいついでおり、今月19日には大学病院で働く疫学者1人が命を落とした。

 

 ほか2人も負傷したと世界保健機関(WHO)が明らかにした。

病院が次々と襲撃される

 

 襲撃を受けたのは、ウガンダとの国境に近い北キブ州ビュトンボの大学病院。コンゴ民主共和国では昨年8月以来、北キブ州を中心にエボラ出血熱の感染が猛烈な勢いで拡大しており、4月22日現在の患者数は1353人(感染疑いも含む)。880人が死亡しており、史上2番目の流行となっている。

 

 WHOによると今月19日、北キブ州を拠点とする武装した反政府武装グループがビュトンボ大学病院を襲撃。医療従事者を銃やなたなどで襲った後、市内にある別のカトワ病院に標的を変えて焼き討ちをかけようとしたところを、警察や軍隊に射殺された。

「エボラを持ち込んだのは国際社会だ」

 この攻撃で、WHOが派遣した疫学者のリチャード・ヴァレリー医師が死亡したほか、2人の医療従事者もケガをして治療を受けている。

 

 コンゴ民主共和国では今年2月にも、WHOや国境なき医師団が運営する複数の医療施設が襲撃や焼き討ちを受ける事件が起きており、建物が全焼したり、警備員の負傷が伝えられている。

 

 背景には、北キブ州の一部の市民の間で「国や国際社会がエボラウイルスをもちこんだ」という誤った考えが広まっており、国際社会の象徴である外国人や医療機関が攻撃の対象にされているのだという。

患者や医療従事者の安全確保を

 WHOのテドロス・アダノム事務局長は今回の事件を受けて、「たくさんのひとの命を守るために働いている私たちの同僚が殺されて、深い悲しみに暮れている」とコメントを発表し、「治療中の患者や、すべての医療従事者の安全が確保されなければ、エボラの流行は終わらない」と怒りを露わにしている。

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