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獲物泥棒!チンパンジーがヒョウから横取り「屍肉を食らう」京都大

 アフリカ東部タンザニアで野生のチンパンジーを研究する京都大学のチームは、ヒョウが殺した獲物を横取りして食うチンパンジーを世界で初めて観察したと発表した。肉食動物から獲物を横取りする行動は、人類の進化の歴史にとって重要だと考えられてきたが、これまでチンパンジーがそうした行動をとる証拠は無かったという。

 

 ライオンやヒョウなどの猛獣から、獲物を横取りする行動は、弓矢のような飛び道具や、仲間を呼び寄せるための言語が不可欠だ。この行動は、大型獣の狩猟を開始する前の人類の進化を考えるうえで非常に重要な意味を持っているほか、動物性たんぱく質を食べることが、脳の大型化にも関わっていると考えられている。

獲物の横取りが進化のカギ

 京大大学院の中村美知夫准教授らのグループは1980年以降、タンザニア西部のマハレ山塊国立公園で野生のチンパンジーの生態観察を続けた結果、近くにいるヒョウが殺したばかりの「ブルーダイカー」という小型のレイヨウを横取りして食べる場面に遭遇。

 

 ブルーダイカーの喉元にはヒョウが噛み殺した牙の跡がしっかり残っており、チンパンジーたちが、屍肉を食いながら、近くの茂みに向かってさかんに警戒声を発していたことから、付近にはしばらくの間、ヒョウがウロウロしていた可能性が高いという。

人類の祖先より早く

 調査チームは、2017年までに屍肉を食うチンパンジーに18回遭遇。殺された直後の新鮮な肉で、ふだんチンパンジーが食べ慣れている動物であれば、近くにヒョウがいて、取り返しに戻る可能性があっても、危険を冒してまで食べることがあるという。

 

 中村准教授らは、「肉食獣から獲物を横取りする行動は、人類の祖先より前に、類人猿が行っていた可能性がある」と指摘している。なおこの研究成果は、国際学術誌『ジャーナル・オブ・ヒューマン・エボリューション』に発表された。

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