歴史

英国にも長城があった!遺跡に珍奇な落書き 考古学者が驚く

 古代ローマの技師が現代の日本にタイムスリップする漫画『テルマエ・ロマエ』の作品中に、子孫繁栄を祈願する “男根崇拝”に関するエピソードがあったのを覚えておられるだろうか?紳士の国である英国で、ローマ帝国時代の遺跡の石に、極めて注意深く掘られた巨大な“シンボル”が見つかった!

スコットランドの国境近くにある城壁

 このシンボルが見つかったのは今年2月、英国北部のスコットランドとの境界近くを東西に連なる「ハドリアヌスの長城」近くの採石場だ。

 

 長城と言えば、中国の万里の長城を思い浮かべるが、ハドリアヌスの長城もまた、紀元2世紀にローマ帝国の皇帝ハドリアヌスが、スコットランド地方に住んでいたピクト人と呼ばれる種族からの侵略に備えて築いた防御壁で、ユネスコの世界文化遺産にも登録されている。

 

 長城の建設作業にはローマ帝国の支配地から、多くの奴隷が駆り出され、10年近い歳月をかけて完成。当時の壁の高さは4〜5メートル、厚さは約3メートル。ニューカッスル・アポン・タインからカーライルまでの全長は120キロ近くに及んだ。ローマ帝国の支配が終わった4世紀後半以後も何世紀にもわたって使われたことから、イングランドとスコットランドの実質上の境界線にも影響を与えた遺跡だ。

男根57個を発見

 ニューカッスル大学の考古学者イアン・ヘインズ教授が率いる調査チームは今年2月、長城建設のための石を切り出した採石場を調査中に、巨大な岩石の表面に掘られた男根のシンボルを発見。

 

  政府の後援を受けて調査に参加している「イングランド歴史的建造物・記念物委員会(ヒストリック・イングランド)」によると、男根は単なる落書きではなく、当時の幸運のシンボルとして描かれたもので、城壁近くのさまざまな場所でこれまでに57個も見つかっているという。

風化している碑文

 周辺からはさらに、古代ローマの男性を掘った横顔や、「APRO ET MAXIMO CONSVLIBVS OFICINA MERCATI」と刻まれた碑文も発見。 

 

 碑文は西暦207年に建設工事を指揮した「APER(アペル)」と「MAXIMUM(マキシマム)」という名前のふたりの役人が残したものだということも明らかになっており、歴史的に価値があるものだが、柔らかい砂岩のために侵食が激しく、このまま放置していれば、いずれ消失するおそれがあるという。

 

 調査チームは、発見した“落書き”をすべて3Dスキャンデータに残し、一般公開する予定で、男根シンボルオタク(Phallus Enthusiasts)が熱い眼差しを注いでいるという。

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