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大腸がん 早期診断へ大きく前進!発がんを示す細菌発見 大阪大など

  大腸がんは、日本人がかかる「がん」のうち、胃がんを抜いて一番多いとされるが、大阪大学や国立がん研究センターなどのチームは7日、早期の大腸がん患者だけにみられる細菌を発見したと発表した。早期診断や予防に結びつくとして期待が寄せられている。

 

 米科学誌『ネイチャー』に7日付で掲載された論文によると、大阪大大学院の谷内田(やちだ)真一教授らのチームは、国立がん研究センター中央病院を受診して、大腸の内視鏡検査を受けた616人を対象に、便中に含まれる腸内細菌を調査した。

 

 その結果、がんの進行ステージによって便の中に増える腸内細菌の種類に大きな違いがあることを突き止めた。

早期のがんに特有の細菌とは

 内視鏡検査で切除できるポリープや、ステージ0(ゼロ)にあたる粘膜内がんなどといった初期段階の患者では、「アトポビウム・パルブルム」と「アクチノマイセス・オドントリティカス」というふたつの細菌が多いが、症状が進行するとこれらに代わって別の細菌が増加するという。

 

 一般的に、ひとりの人間の腸内には約40兆個、重さにすると1〜1.5キロもの腸内細菌が存在すると言われており、さまざまな細菌が種類ごとに塊となって腸壁に張り付くようすが、お花畑に似ていることから「腸内フローラ」と呼ばれる。

 

 2012年の研究で、歯周病の原因菌が大腸がんの患者の便で多数存在することが報告されたように、腸内フローラの乱れがさまざまな病気に関係することが最近になってわかってきた。

代謝物質も異なる

 これまで、進行した大腸がんに関連する細菌はいくつか見つかっていたが、ポリープや粘膜内がんなど初期段階を示す細菌は発見されていなかった。

 

 研究チームが616人の便から採取した細菌のDNAを取り出して、ゲノム配列を解読した結果、ポリープがある患者の腸内には、デオキシコール酸という胆汁酸が多く、粘膜内がんの患者では、複数のアミノ酸が増えていることもわかった。一方、進行がんでは、イソ吉草酸という、魚や貝、牛乳などの香りに関係する脂肪酸が増加していたという。

 

 大腸がんは、大腸の一番内側にある粘膜から発生し、初期の段階では粘膜内にとどまっているが、大きくなるにしたがって、次第に粘膜の奥に深く潜っていく。粘膜にとどまっているごく早期の段階であれば、転移の心配は少なく、大きな手術をしなくても内視鏡で治療が可能だ。

 

 研究チームは今回の研究成果が、早期診断や発症前に診断する予防医療などへの応用に結びつくとして期待を寄せている。

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