生物

23年目の真実「私メスだったの?」ミミズクのオスが産卵!本人もショック 英国

 英国南部のフクロウ保護施設で過去23年間にわたって飼育されているワシミミズクが今月24日、生まれて初めて産卵した。カルンの名で親しまれてきたこの鳥は、長い間ずっとオスだと思われてきており、関係者が激しい衝撃を受けている。

 

 ハリー・ポッターシリーズで知られるように、ヨーロッパのなかでも英国人はフクロウへの愛着が強いのは、古代ギリシアのアレキサンダー大王の時代に、「知恵の神」や「森の賢者」として女神の従者のイメージが定着したからだろう。

 英国南部グロスターでフクロウの保護活動を行っている「バーン・オウル・センター」によると、センターが設立した1996年当時から飼育されているワシミミズクのカルン(Kaln)が今月24日、過去23年間で初めて産卵した。

 

 フクロウの仲間は、大きさや種類によって寿命が異なるが、小型のもので10〜15年、中型で30年、ワシミミズクのように大型だと40年ほど生きる場合があるが、野生の場合は平均して20年程度だと言われる。

傷ついたフクロウを野生に戻す

 同センターには現在、46羽のフクロウがいるが、活動の目的は繁殖ではなく、ペットとして飼われていたり、事故などで傷ついた鳥が回復して、野生生活できるようになるまで安全な環境と巣箱を提供するというものなので、若くて健康体のカルンはこれまで、詳しい健康チェックはもちろん、性別検査も受けたことがなかった。

 

 ところが最近、心臓に炎症があることが見つかったことから、センターでは寄付を募り、鳥類専門の獣医に診てもらうことで、妊娠していることが発覚、その直後に産卵を迎えた。

本人も驚く

 センター代表のヴィンセント・ジョーンズさんによると、カルンは卵を産んだ際、驚いたように目を見開き、卵を何度も見直したのち、ジョーンズさんの方を向いて、「ちょっと、これ何なの?」とでもいうような困惑の表情を浮かべた。

 

 ジョーンズさんと獣医は「カルンが産んだのは、受精していない無精卵なので、ヒナが生まれることはありません。もし交尾していたら、一度に3個か4個の卵を産んでいたと思う」と話している。

遺伝子検査でもオス・メスはわからない

 2008年に台湾大学の研究チームが遺伝学の専門誌『ジャーナル・オブ・ヘレディティ』に発表した論文によると、フクロウのオスとメスの体は外見的に大きな違いがないため、見分けることは不可能だ。

 

 くわえて遺伝子検査を行った場合でも、染色体はメスがZWであるのに対して、オスはZZと、非常に似通っているため、明確に区別するのは難しいという。この論文の研究者も、カルンと同じワシミミズクから筋肉組織と血液を採取して、雌雄を区別しようと試みたが、実験は失敗に終わったそうだ。

 

 ジョーンズさんは「カルンは産卵したあと、パニックになって、落ち込んでいるように見えましたが、時間がすべて解決してくれるでしょう。私たちはこれから彼を、女の子の名前カルニーと呼ぶことにします」と話している。気になる心臓の炎症も、産卵後には回復する兆しを見せている。

 あなたにオススメの記事