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タコにも好き嫌い「イヤ!」「ピョンピョン♫」葛西臨海水族園(動画)

 今月2日は「タコの日」だったことをご存知だろうか?夏至から数えて11日目は「半夏生(はんげしょう)」といって、古くから「田植えは夏至の後、半夏生に入る前に終わらせろ」という言い伝えがあり、田んぼの苗がタコの足のようにしっかりと大地に根付くことを願ってタコを食べる地方があることから、日本記念日協会が認定したものだ。

 

 そのタコのなかでも、タコだとは信じられないくらい短い足とパラシュートのような姿から、近年アイドル的な人気を博す「メンダコ」の飼育に取り組む葛西臨海水族園が、食べ物に対して奇妙な反応を示すメンダコの撮影に成功した!

深海のアイドル

  お面のように平べったくなるようすから名付けられたメンダコは、水深200〜600メートル付近の海底に住むタコの仲間だ。

 

 普通のタコと比べて、水を取り込んで噴射することはできず、墨を吐くこともできない。食べられなくはないものの、短い足は海水の味しかせず、シンナー系薬品のようなツンとするニオイがするので、網にかかるとすぐに捨てられてしまう存在だが、頭のてっぺんには可愛らしい耳のようなヒレが生えていることから、近年「深海のアイドル」として注目を集めている。

 葛西臨海水族園では2016年10月、世界で初めて水槽内でメンダコの孵化に成功。静岡県沼津市の港で漁船が釣ったメンダコから取り出した卵だったが、誕生から5日後に死亡。深海に生きるメンダコを水槽で飼育するのは難しく、ましてや繁殖に関する研究は世界でも少ないため、同園は飼育を続けながら、生態解明を目指している。

 

 最近は、深海と同じように暗い水槽で飼育しているが、高感度カメラで撮影中に、解凍したアミエビを与えたところ、体の上に落ちてきたアミエビを一度は口元に近づけたものの、急に「イヤ!」というように短い腕を振り払って、その場から逃げ去るようすがとらえられた。

 

 そこで、今度は生きているヨコエビを水槽に投入。そのとたん、水槽内のメンダコがこれまでにない素早い動きで舞い上がり、ヨコエビ目指して突進。パラシュートような体の下に誘い入れては、ピョンピョンと飛び跳ねた。その動きはまるで好物を見つけて喜んでいるように見えないだろうか?

 

 

 この時点ではメンダコがヨコエビを食べたかどうかはわからなかったが、数日後に死んだ個体を解剖した結果、胃の中からヨコエビの殻が見つかったという。

 

 メンダコの飼育展示スタッフは「こんな動きを見せながらエサを食べるとは予想していなかった。衝撃的です」として、今後も魅力的なメンダコの生態解明に挑み続けると話している。

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