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ウソもついてないのに「二枚舌」になった男 マレーシア

 やたら口がうまくて、相手や話す機会によって言うことがコロコロ変わる人物のことを「二枚舌を使う」などとけなすことがあるが、マレーシアの68歳の男性は、正直に生きてきたのに、文字通り舌が二枚になってしまった!

 

 米マサチューセッツ内科外科学会が発行する医学誌『ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン』に今月11日に掲載された症例報告によると、マレーシア・ペナン州のマレーシアサインズ大学の救急部に最近、68歳の男性が搬送された。

顔や首がパンパンに腫れ

 患者は前日から顔や首がパンパンに腫れており、1週間前から歯痛に苦しんでいたため、熱があり、食べ物や飲み物を飲み込むことができなくなっていた。

 

 口の開け閉めは問題なく、呼吸や声の調子に異常はなかったことから、口腔外科医のイルファン・ムハンマド氏が診察した結果、舌の裏の下あご部分が大きく膨れ上がり、まるで舌が二枚になったように見えたという。

 

 さらに鼻から内視鏡を入れる検査を行ったところ、食べ物を飲み込むときに、のど(咽頭)にフタをして食べ物をいったんためる喉頭蓋(こうとうがい)と喉頭蓋谷(こうとうがいこく)という部分がむくんでいることも明らかになった。

ほっておくと死ぬ場合も

 ムハンマド医師は「唾液を分泌する顎下腺(がっかせん)が炎症を起こす化膿性疾患だ」と診断。

 

 英語で「ルートヴィッヒ・アンギーナ(Ludwig’s angina)」と呼ばれるこの病気は、虫歯や親知らずなどの炎症を放置したせいで、そこからレンサ球菌に感染してしまい、ウミが溜まって口の中や顔がパンパンに腫れ上がる状態だ。比較的珍しいが、進行が早く、気道閉塞を起こすと呼吸困難やショック死する場合もある。

 

 この男性患者にも複数の虫歯があったため、ムハンマド医師は抗生物質の投与を続ける間、虫歯を抜歯したところ、1カ月後には回復したという。

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