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逃げろや逃げろ!脱獄クマ「M49」電気檻から逃走中 イタリア

 

 怪盗ルパンしかり、怪人二十面相しかり。古今東西とわず、追跡の手から逃れようとするものには、応援したい気持ちが湧くが、イタリア北部のトレント地方では現在、一頭のクマが電気柵でできた特別な檻(オリ)を抜け出して、ひたすら逃亡劇を続けている。「M49」と名付けられたクマは、ネット民の間で英雄視されている。

 

 このクマが現れたのは、オーストリアとの国境に近く、ベネツィアの北西に位置するトレント自治県。

県知事が射殺を許可した英雄クマ

 行政府の公式発表によると、M49は今月14日、山岳地帯の森に仕掛けた、触れると電流ショックを受ける柵で作った檻に入った姿が確認されたが、そのわずか数時間後に“脱獄”。職員が駆けつけたときには、高さ4.3メートルの電気檻から姿を消していた。

 

 現在、レンジャーチームと捜索犬のチームがM49の追跡を行っており、トレント県のマウリツィオ・フガッティ知事は、付近の農家や民家に危険が及ぶ可能性があるとして、発見次第、射殺してもよいという許可を出した。

「自由への逃亡」

 この決定を受けてWWF(世界自然保護基金)イタリアはただちに「クマは羽根がないんだから、鳥かごみたいなフェンスに意味はない」と反対を表明。

 

 地元のネット民はもちろんクマの応援団だ。イタリア語で「escape for freedom(自由への逃亡)」を意味する「#(ハッシュタグ) fugaperlaliberta」をつけて、M49の逃亡劇を固唾を呑んで見守っている。

家畜への被害も…

 M49は、20世紀初めまでアルプス山脈周辺の森に生息していたマルシカヒグマ(アペニンヒグマとも)だが、絶滅が危惧された1990年代に、野生動物保護団体がスロベニアから10頭を連れてきて再導入をはかり、繁殖の結果、現在50〜60頭まで生息数が増加。

 

 しかし、そのおかげで酪農家の牛が殺されたり、牧草地が荒らされる被害も報告されるようになったという。

 

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