医療技術

頭蓋骨がつながった双子 50時間を超える分離手術に成功 英国(動画)

 英国ロンドンで、頭蓋骨がつながった状態で生まれた双子の分離手術が成功した。サファとマルワと名付けられた二人の女の子は55時間の手術に耐えた。

 

 双子は2017年1月、パキスタン中部のチャールサダの病院で誕生。母親のザイナブ・ビビさん(34歳)が出産した病院では、生まれるまで双子であることに気づかず、帝王切開で誕生した赤ちゃんを見て驚愕したという。

250万分の1の確率で生まれる結合双子

 専門家によると、結合双子は、250万分の1の確率で生まれる可能性があり、そのうち頭蓋骨が結合しているのは約5%。

 

 ロンドンのグレート・オーモンド通り病院(GOSH)は、結合双子の分離手術は、2006年と2011年にも頭蓋骨の結合双子の分離手術に成功した世界有数の医療機関で、パキスタンの病院からの要請を受けて、協力を了承したという。

のべ55時間の大手術

 同病院は双子が1歳7カ月を迎えた昨年秋にパキスタンを離れ、10月から今年2月11日までの4カ月間をかけて、100人以上の医療スタッフに支えられて、3度にわたる大手術を受けた。手術に要した時間はのべ55時間に及んだが、今年7月1日、体力をすっかり取り戻し、母親と祖父に連れられて無事退院した。

 

 脳神経外科のオワセ・ジーラニ医師と頭部外科のデヴィッド・ドゥナウェイ医師をはじめとする100人あまりの医療チームは、バーチャルリアリティ(VR)や3Dプリンター技術など最先端の技術を駆使して、頭蓋骨や脳、血管のモデルを作り、事前に何度も練習を重ねて、本番の手術に備えた。

 

大量出血で失血死の危険

 事前に行った画像診断では、ふたりは別々の脳を持っていることがわかっていたが、完全ではなかったため、プラスチック片を挿入して脳と血管を分離。一時は、サファの首の静脈に血栓ができて大量出血が起こり、心拍数が低下して失血死の可能性があった。この影響でサファが脳卒中を起こしたが、なんとか生き延びたという。

 何段階もの複雑な工程を経て、最後は分離した頭蓋骨の頭頂部を再建するための手術を行った。これには、双子自身の骨や皮膚組織をもとに再生治療を行わなければならなかったという。

 

 2月の手術後には、専門の理学療法士や作業療法士がついてリハビリを続け、今月1日、母親と祖父、叔父の3人に介添えられながら、退院の日を迎えた。(双子の父親は、母親が妊娠している間に心臓発作で死亡)

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