歴史

500年前のルネサンス期に消えた沈没船「無傷で発見」バルト海(動画)

 いまから500年以上さかのぼるルネサンス期に沈没した難破船がスウェーデン沖の北欧バルト海で見つかった。英サウサンプトン大学などの国際調査チームは「まるで昨日沈んだようなほぼ無傷の状態だ」と興奮を隠しきれないようすだ。

 

 この沈没船は、スウェーデン海事局が2009年にソナー探査で最初に発見。その後、調査は滞っていたが、今年に入ってサウサンプトン大学海洋考古学センターと、水中探査の専門機関MMT、スウェーデンのセーデルトルン大学海洋考古学研究所などによる合同チームが調査に乗り出した。

 

 最先端の水中ロボットを使った探査の結果、深さ2000メートル以上の冷たいバルト海の底に眠る難破船は、メインマストも所定の位置にあるうえ、甲板には船から乗り降りするための小型ボートも残っており、船体にはほとんど損傷がない。

旋回式の銃も残る

 サウサンプトン大学の深海考古学者ロドリゴ・パケーロ=ルイス(Rodrigo Pachero-Ruiz)博士は、「この船はクリストファー・コロンブスとレオナルド・ダ・ヴィンチと同時代のものだが、川の水が流れ込むバルト海の冷たい汽水域のおかげで、500年経っているとは思えない。まるで昨日、沈没したように見える」と述べている。

 

 これまでの考古学的調査から、15世紀後半から16世紀初頭に沈没した船だとみられている。これは、北欧スカンジナビア諸国が近代化への歴史を歩み始めた時代より100年近く前の時代で、この後になると、デンマークとスウェーデンが派遣をかけて戦った「北方七年戦争(1563〜1570年)や、英国王ヘンリー8世の建造した軍艦メアリー・ローズ号が沈んだソレントの海戦(1545年)が起きている。

ガンデッキには旋回式の銃も

 プロテスタントとカトリックが対立した三十年戦争(1618〜1648年)に参戦したスウェーデン王グスタフ2世アドルフが、ポーランド征服とバルト海の制海権を目指して建造した軍艦ヴァーサが1628年の処女航海で沈んだのはもっと後だ。

 

 北方七年戦争で沈んだ軍艦マーズは、戦闘で爆破されたため、バラバラになった残骸しか発見されていないが、今回の船はキールから甲板まで船体構造の保存状態がよく、ガンデッキには旋回式の銃まで残っているというから、当時の船乗り同士の人間関係がうかがえるという。

 

 調査チームは、沈没した理由や正確な年代の解明を目指して、引き続き調査を続けるとしている。

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