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金属のウロコをまとった奇妙な生物スケーリーフット 絶滅危惧種に(動画)

 世界で唯一、インド洋の深海に生息する「スケーリーフット」をご存知だろうか?2001年に深さ2500メートルの海底で見つかった金属のウロコをまとう巻き貝で、生態は謎に満ちているが、このたび絶滅危惧種に認定された。

 

 まずはこの画像をご覧あれ。カタツムリのような黒い殻を持ち、ビラビラしたたくさんの足。これは腹部を守るウロコで、そこから「スケーリーフット(ウロコの足)」と名付けられた。

どこにいる?

 

 驚くべきは奇妙な姿だけではなく、体全体が硫化鉄という金属でコーティングされていることだ。世界で初めてスケーリーフットが発見されたのは2001年。米国の観測船が、マダガスカルの南東沖に位置する「かいれいフィールド」と呼ばれる360℃の高温の熱水が吹き出す熱水活動域に生きる黒いスケーリーフットを見つけた。

白いスケーリーフットもいる

 この海域は、かねてから東京大学海洋研究所や海洋研究開発機構(JAMSTEC)が探査活動を行ってきた場所だ。2009年には、かいれいフィールドから800キロほど離れた海域でも、2カ所の熱水活動域をあいついで確認し、そこでは硫化鉄に覆われていない白いスケーリーフットや、数千匹以上の大群衆も発見している。

 

 スケーリーフットが生息する水深2000メートルの深海は、日光が届かず、植物プランクトンが光合成できないため、エサが少なく、浅い海のような食物連鎖が成立しない。

 

 深海の生物は、海底から吹き出す熱水に含まれる硫化水素や鉄、メタンをエネルギー源として取り入れ、体内に棲息する細菌が栄養源に変えていると考えられていて、スケーリーフットもまたウロコに守られた足で熱水噴出孔のまわりにはりついて生活していることがわかっているが、ウロコを作る仕組みや進化についてはまだ謎が多い。

生息するのはサッカー場2面分

 JAMSTECによると、これまでの調査でスケーリーフットの生息が確認されているのは、わずか3カ所、面積にしてサッカー場2面分にあたる0.02平方kmしかなく、このうち2カ所は中国とドイツが鉱物資源の開発に向けて動き出していることから、希少な深海生物の生態系が失われる可能性が懸念される。

 

 今回、国際自然保護連合(ICUN)が発行するレッドリストに絶滅危惧種として登録されたことは、生物多様性の損失に歯止めをかけるための一歩だ。

 

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