生活情報

「丹田法」は本当だった!注意力は呼吸法で高められる 千葉大が実証

 

 武道経験者にはお馴染みの「丹田呼吸法」や、息を吐ききる瞬間にバーベルを持ち上げる重量挙げなど、古くからスポーツの分野では、呼吸とパフォーマンスに相関関係があると考えられてきた。

 

 千葉大学の研究チームが、物体の動きに対して呼吸がどんな影響を及ぼすかを認知心理学の手法で確かめた結果、変化に素早く反応できるのは息を吐いているときであることを実証した。

注意力をテスト

 千葉大大学院の一川誠教授らのチームは、平均年齢22.5歳の男女16人の学生を対象に、パソコンのモニター画面上の左右どちらかの四角い枠のなかに現れるバツ印の位置をなるべく速く答えてもらう実験を実施。

 

 6枚の動画を順番に見せる途中で、矢印や枠が明るくなるようなヒントを与えるのだが、これが正しい場合もあれば、間違った手がかりになる場合もある。参加者には息を吸いながら、あるいは吐きながら課題に挑戦してもらったが、息を吐いているときのほうがおおむね素早い反応が見られたという。

丹田呼吸法

 

 一言で注意力と言っても大きく分けて2種類あり、球技から格闘技などスポーツの場面で必要とされるのは、予想外のフェイントにあったときに反射的に向く注意力(外発的注意)と、相手の動きを予想したときの注意力(内発的注意)のふたつだ。

相手の動きを読め!

 古来から武道では、「丹田呼吸法」といって、下腹に意識を集中させて、吸う息を短く、吐く息を長くする呼吸法が知られている。たとえば剣道では、相手の動きに注意力を集中させることが重要なため、今回の実験によって、呼吸法が理にかなった教えであることが科学的に実証された。

 

 研究チームは「呼吸の仕方が、認知機能のひとつである注意力に影響を及ぼすことを見出したのは世界でも初めて。今後は、呼吸が人間の認知的な能力をどこまで引き上げられるのか解明したい」と話している。

 

 なおこの研究成果は、日本視覚学会の学術誌『Vision』に掲載された。

 あなたにオススメの記事