環境

土用の丑:ウナギが捕れないのは「海流が弱くなった」からだった!

 

 きょう27日は土用の丑の日。しかし近年、漁獲量の減少で取引価格が高騰していることはご存知のとおり。

 

 国をあげて稚魚の人工孵化による完全養殖を進めようとしているが、課題は山積みだ。海洋の調査研究を行っているJAMSTEC(海洋研究開発機構)は、シラスウナギの減少は、日本へ向かう海流の変化に原因があると指摘している。

土用の丑の日は平賀源内が発案

 ウナギが日本人の食卓にのぼるようになった歴史は古い。奈良時代の『万葉集』にウナギの古称「武奈伎(むなぎ)」が登場するのが最初。

 

 以来、さまざまな調理法で人々に愛されてきたが、今のように土用にウナギを食べるようになったのは幕末の天才、平賀源内が近所の鰻屋に「夏場にウナギが売れるようにするためにはどうしたらいいか?」と相談されて、「土用の丑の日に“う”がつくものを食べると滋養になる」と発案したのがきっかけと伝えられている(通説)。

謎に満ちたウナギ

 長い歴史があるにもかかわらず、ニホンウナギの産卵場がマリアナ諸島付近の海域で見つかったのは2011年2月。研究開始から36年の月日が経っており、いまなお生態には謎が多い生き物だ。

 

 卵から孵化したウナギの稚魚は、レプトセファラスと呼ばれ、体は無色透明でヤナギの葉のような姿をしており、次第に成長しながら黒潮に乗って日本近海まで近づき、シラスウナギに変態し、沿岸に接近。

 

 5〜15年間、河川や河口域で生活した後、再び海へ下って、日本から約2000キロ離れた産卵場を目指すという一生を送るのだが、1980年ごろからシラスウナギの漁獲量は右肩下がりに減少。

不漁続きの原因は?

 2010年からは3期連続して不漁が続き、取引価格も高騰。このころ国は、養殖業者向けの支援や保護管理に向けて緊急対策を開始。現在、大学などの研究機関が中心になって完全養殖技術の確立を目指すための努力を続けているが、商用化への道は遠い。

 

 そうしたなか、JAMSTECと日本大学の共同チームが、1993年から2013年までの過去20年間の海流の動きを分析。ウナギの稚魚を粒子に見立てて、海流の動きによって、どうふるまうのかを再現。

温暖化が原因か?

 1993年から2013年まで、毎年1万8000個のペースで産まれた卵(粒子)が、日本付近へやってくる数は、年率約5.6%ずつ減少していることが明らかになった。

 

 背景には、海流の変化があり、マリアナ近海から日本や台湾付近に稚魚を運んでくれる西向きの海流が弱くなった一方、南向きの海流が強くなっていることが明らかになった。

 

 過去20年間で海流が変動した原因はまだわからないものの、温暖化が関係しているという研究報告もある。

 

 研究チームは、成長したウナギが産卵場に回帰する数や産卵量、エサとなるプランクトン量などさまざまな要因を考える必要があるとして、今後はそれらの影響を考慮して、より精度の高い分析を行う考えだ。

 

 

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