感染症

バナナ絶滅の危機「新パナマ病」南米に到達!コロンビアが緊急事態宣言

 栄養価が高いバナナは子供からお年寄りまで人気の果物。1年を通じて食べられるため、夏バテで体力を消耗する今の季節こそ食べてほしいと、日本バナナ輸入組合が8月7日を「8(バ)」「7(ナナ)」に定めたことも…。

 

 総務省統計局の2017年の調査では、家族2人以上の世帯では年間18kg余りのバナナを購入していると報告されていて、数年来、同水準で移行している。そんなバナナ好きの国民にとって、聞き捨てならないのは、世界のバナナ生産国のひとつ、南米コロンビアにバナナ栽培に壊滅的な被害を及ぼす病気が到達し、国をあげて「緊急事態」を宣言したのだ!

産地を破壊する脅威の真菌フザリウム

 コロンビア農業研究所(ICA)は今月8日、緊急会見を開き、広さ175ヘクタールのバナナ農園で、「フザリウム・オキシスポラム」を検出したと発表した。これは、フザリウムと呼ばれるカビの仲間で、土壌から根に侵入し、一度発生すると殺菌剤での駆除はほぼ不可能で、生産地を破壊しかねないほど脅威となる病原菌だ。

 

 フザリウム属菌が引き起こすバナナの病気は「新パナマ病」と呼ばれており、1990年代にインドネシアとマレーシアで発見されて以来、中国やアフリカ・モザンビークなどに急速に広がって、壊滅的な被害を及ぼしてきた。

国連「途上国の深刻な脅威」

 とりわけ、世界で生産されるバナナの半数を占め、日本のスーパーマーケットで販売されている品種である「キャベンディッシュ」は、おしべとめしべによる有性生殖ではなく、遺伝的に同一のクローンで育つため、抵抗性が弱く、感染が急速に広がる可能性がある。

 

 コロンビア農業研究所によると、今年6月に最初の感染が明らかになった農園では、全面積175ヘクタールのうち、すでに168.5ヘクタール分の作物が枯死。現在は、カビ菌の拡大を防ぐための封じ込め措置を強化している。

 

 国連食料農業機関は、バナナ貿易がもたらす収益は、慢性的な食糧不足に苦しむ発展途上国や低所得国にとって重要で、新パナマ病の蔓延は「深刻な脅威」だと懸念を表明している。

 

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