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絶体絶命!多勢に無勢のヒョウ ライオンに取り囲まれた!アフリカ(動画)

 アフリカからアラビア半島、東南アジアやロシア極東にいたるまでネコ科のなかでは最も広い範囲に生息するヒョウ。ライオンと肩を並べる大型猛獣だが、最も大きなヒョウと小型のライオンを比べても、その差は歴然、体重差にして20kgはあるうえ、群れで行動するライオンにはかないっこないので、まずは接触を避けるのが鉄則。ところがこの油断したヒョウは、敵に周囲を囲まれてしまった!

 

 絶体絶命のピンチを目撃したのは、南アフリカ北東部に位置する世界位の動物保護区「クルーガー国立公園」でサファリツアーのガイドをつとめるケリー・バラーム(Kerry Balaam)さん。

 

 今月初め、ケリーさんは保護区の南部でくつろぐライオンの群れ(プライド)を視察中、1頭のメスが茂みの中を気にしているようすに気づいた。黄色い枯れ草の保護色と同化するように1頭のヒョウが横たわっていたのだ。

とにかく卑屈に!従順に!服従せよ!

 先兵役のメスが「アンタ、こんなところで何やってるの?」とヒョウのまわりをウロウロする一方、かたわらでは群れのリーダーのオスが、たてがみをなびかせながら二頭をジロリ。

 

 ヒョウは威嚇の唸り声をあげるものの、振り上げた前足にメスライオンは動じることなく、ヒョイとよけて悠然とした表情のままだ。

 

 メスはさほど興味を示さずに、その場を去ったが、近くにはオスもメスもいる。ヒョウはしばらく両腕を空に向けて、天を仰ぐような姿勢を続けた後、3頭のライオンが視線を外した瞬間、サッと起き上がって一目散に逃走。

 

「おい、アイツ逃げたぞ!」…それまで余裕の表情を見せていたライオンもさすがに立ち上がったが、それ以上深追いはせず、ヒョウを見送るにとどまった。

 

 

 クルーガー国立公園が最近行った調査によると、野生のヒョウが死亡する理由の約2割は、ライオンの餌食にされることだという。それにもかかわらず、2種類のネコ科の動物が生息区域を共有するのはなぜだろうか?

 

 野生のネコ科の調査を行う国際組織パンテラのモザンビーク支部を担当するクリス・エヴァラット(Kris Everatt)さんによると、通常、ライオンは水牛のような大型草食動物を狙う一方、ヒョウの獲物は小〜中型の動物なので、餌場がかち合うことは無いそうだ。

 

 それでも今回のようにヒョウがライオンに追い詰められた場合、生き残るチャンスはただひとつ「ひたすら服従の姿勢をとること」だそうだ。このヒョウは元気なオスであるため、もし両者が争うことになれば、ライオンだって負傷するリスクがある。

 

「ヒョウはひたすら腹を見せて、従順な態度を示すことで、ライオンを刺激しないようにしていました。これがもし、弱い子どもだったり、メスだったら結果は違っていたかもしれません。卑屈に見えるかもしれないけれど、ライオンと向き合った場合は、負けるが勝ちなんですよ」とクリスさんは言う。

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