感染症

タイ帰りの75歳「類鼻疽(るいびそ)」に感染 入院当日死亡

 千葉県鴨川市で今月6日、肺炎にかかって医療機関に入院した75歳の男性がその日のうちに死亡した。詳しい検査の結果、男性は旅行先のタイで「類鼻疽(るいびそ)」と呼ばれる病気に感染した可能性が明らかになった。

 

 千葉県健康福祉部によると、この男性は鴨川市に住む無職の75歳。今月6日、発熱などの体調不良を訴えて鴨川市内の医療機関を受診したところ、肺炎と診断されて入院。ところがその日のうちに敗血症によるショック症状で死亡した。

 

 死後に医療機関で詳しい検査を行った結果、今月26日に「類鼻疽」に感染していたことが判明し、保健所に届け出を出したという。亡くなった男性は、今年2月から3月にかけてと、5月15日から6月26日の2回、タイに滞在。5月30日に意識不明となって現地の医療機関に入院したが、6月23日に症状が良くなったため、退院して同26日に日本に帰国していた。

 

 千葉県などによると、類鼻疽は自治体への届け出が義務付けられている四類感染症のひとつで、類鼻疽菌が引き起こす人獣共通感染症だ。日本にはこの菌が常在しないため、オーストラリア北部やタイ、シンガポールなどの東南アジアやアフリカなどの流行地域で感染し、帰国後発症する輸入感染事例が複数報告されている。

 

 類鼻疽菌は、土壌や水などに分布する環境細菌で、汚染された土壌の粉じんや水の飛沫などを吸ったり、皮膚に傷があった場合に土壌を触ることで感染する。ヒト以外ではラクダやヤギ、羊、ブタなどの家畜、イヌ、ネコなどペットも感染するが、動物からヒトや、人間同士で感染することはほとんどない。

 

 菌の潜伏期間には幅があり、通常は3〜21日程度だが、1年以上に及ぶ場合もある。発熱、気管支炎や肺炎、胸の痛み、乾いた咳などの呼吸器の症状が多く、腎不全や糖尿病などの持病がある人は重症化しやすく、敗血症ショックを起こすことがある。

 

 治療には、セフタジジムやカルバペネム系の抗生物質を投与するが、再発する場合もあるため、投薬期間は長期に及ぶ。

 あなたにオススメの記事