感染症

蚊が媒介の「東部馬脳炎」50代が死亡 殺虫剤を空中散布 米国

 蚊が媒介するウイルスによって、最悪の場合、脳炎を発症して死に至る「東部馬脳炎(EEE)」が、米北東部であいついで発生し、50代の患者がひとり死亡した。米国では年間平均して7人が感染するという極めて珍しい病気だ。

 

 東部馬脳炎が流行の兆しを見せているのは、ボストンとニューヨークにはさまれた米北東部ロード・アイランド州。州政府保健局(RIDOH)によると、この患者の感染が明らかになったのは先月30日、しかし治療の甲斐なく、今月8日に死亡したという。

 

東部馬脳炎とは

 厚生労働省によると、東部馬脳炎はヤブ蚊によって媒介するウイルス性の感染症で、潜伏期間は3〜10日、高熱や悪寒、倦怠感、筋肉痛など風邪に似た症状が出るが、1〜2週間で回復することが多い。しかし、脳炎を発症すると重症化して、昏睡や死亡に至る。

 

 脳炎は50歳以上の中高年や、15歳以下の子供に起きやすく、脳炎を発症した患者の致死率は33%以上と高く、50〜75%に達するという報告もある。死を免れた場合でも、生残者の半数は一生、神経学的な後遺症に苦しむという。

隣の州でも馬や人があいついで感染

 ロード・アイランド州保健局によると、近隣のマサチューセッツ州やコネチカット州でも計4人が感染し、9頭の馬でウイルスの陽性反応が確認されているが、患者の死亡は今年初。患者の死亡を受けて、州内の多くの自治体で蚊を捕獲し、サンプル調査を実施した結果、広い範囲でウイルスを持つ蚊が見つかった。

 感染拡大を防ごうと、州政府は蚊の生息シーズンが終わる10月中旬までの間、繁殖地となる湿地帯や沼地などを中心に殺虫剤の空中散布を続けるとともに、一般家庭においてもプールの水を抜いたり、雨水がたまりやすい古タイヤやゴミ箱、ボートなどに溜まっている雨水を取り除くよう呼びかけている。

 

 蚊が媒介する感染症というと、日本では2014年に東京・代々木公園を中心に70年ぶりにデング熱が流行したことが記憶に新しい。海外渡航先などで刺されて、日本国内に持ち込む可能性も高いので、今一度、流行地での予防を心がけてほしい。

 

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