医療技術

世界初!左利きの遺伝子発見 40万人のゲノム解析で…英オックスフォード大

 10人に1人いると言われる左利き。かつては右利きに矯正するのが一般的だったが、スポーツ分野では有利になったり、芸術家や偉人に左利きが多いこともプラスして、自然のまま育てる親も増えてきた。左利きが生まれる理由については長年不明だったが、英国の研究チームが、このほど左利き特有のDNA配列(遺伝子マーカー)をつきとめた!

 

 今月5日に科学誌『ブレイン』に掲載されたオックスフォード大学の研究論文によると、アキラ・ウィバーグ医学博士らのチームは、生体試料を集めたバイオバンクを利用して40万人分の遺伝子解析を実施。

スポーツ選手や芸術家に多い左利き

 データには3万8332人の左利きのゲノム情報が含まれており、右利きと比較した結果、左利きに特有の遺伝子マーカー4つを突き止めた!

 

 そのうち3つは、脳の神経細胞の形を決めたり、細胞内の物質を輸送するなどといった、建設現場の「足場」に相当する「微小管」など、脳の発達や構造に強く関係しているタンパク質を作り出す指示を与える部分で見つかったという。

 

 さらに約1万人分の脳のスキャン画像と照らし合わせたところ、これらの遺伝子変異が、言語に関係する「白質」と言われる中枢神経の構造の違いに関係していることが判明した。

左利きの不幸な歴史

 ウィバーグ博士は、「左利きの被験者では、左右の脳にある言語領域が、右利きよりもスムーズに情報をやりとりしていることがわかった」と述べて、左利きの方が言語関連の作業を有利に実行できる可能性を示唆したが、この問題についてはもっと詳しく調べる必要性があるとして断言を避けた。

 

  共同研究者のひとりであるドミニク・ファーニス教授は、「歴史を振り返ると、左利きは不幸だとか、ときには悪意があるとまで思われてきました。例えば英語で右を意味する“right”は正しいとか適切という意味ですし、フランス語の“gauche(ゴーシュ)”は左と同時に、不器用とか気が利かないという悪い意味で使われます」と指摘。

 

 そのうえで「左利きというだけで、不幸な歴史を背負わされてきましたが、今回の研究で遺伝子の複雑な相互作用による産物にすぎないことが解明されました」と話している。

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