感染症

埼玉県のイノシシが豚コレラ 養豚場から3.5km ワクチン使用へ方向転換

 関東で初めて、豚コレラが発生した埼玉県秩父市で、死んでいる野生のイノシシの感染が確認された。養豚場から3.5キロ離れた場所だという。

 

 埼玉県によると今月20日、秩父農林振興センターなどの職員が死亡した野生イノシシを回収し、発見場所を石灰で消毒したのち、家畜保健衛生所で検査を実施した結果、豚コレラウイルスの陽性反応を確認。念のため、農業・食品産業技術総合研究機構で確定検査も行った。イノシシはメスで体長は100センチ、今月13日に豚コレラが発生した養豚場から約3.5キロ地点で死亡していたという。

 

 野生のイノシシで感染が確認されたのは、関東地方で初めてで、埼玉県では今月、秩父市内に次いで小鹿野市でも感染があいついでおり、これまでに合わせて2231頭の豚が殺処分されている。

 

 国内では昨年9月に岐阜市で発生して以来、これまでに8府県に感染が拡大している。畜産業界からワクチン接種を求める声が高まるなか、農林水産省はまる1年、消極的な態度を続けてきたが、今月20日、特定家畜伝染病防疫指針を見直し、都道府県の判断でワクチン接種できるよう決定するとともに、動物用医薬品メーカーにワクチン生産を依頼。

 

 方針を覆したのは、ワクチン接種を行えば、家畜伝染病対策の国際機関「国際獣疫事務局(OIE)」から国全体が「非清浄国」に格下げされ、接種した豚を海外の「清浄国」に輸出できなくなるおそれがあるからだ。

 

 江藤拓農水相は20日の会見で、非清浄国への格下げもやむなしという認識を示し、「発生県からはワクチン接種ができない状態では、養豚業が再開できないという声が届いている」などと述べて、接種は発生が確認された地域に限定し、専門家などの意見や国民からのパブリックコメントなどの手続きを経て、早ければ年内に着手する見通しを示した。

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