生物

3つの性を持つ線虫 高濃度ヒ素の湖で発見 米カリフォルニア州

 米カリフォルニア工科大学の研究チームは、76万年前の噴火で生まれた高濃度のヒ素を含む過酷な環境の湖で生きる3つの性別を持つ新種の生き物を発見した!オスとメスに加えて、雌雄同体と3つの性を持つ生き物が見つかったのは、カリフォルニア州とネバダ州の境界近くにあるモノ湖だ。

生物がいない塩湖

 ネイティブアメリカンの部族名から、ヨセミテ国立公園と名づけられたこの一帯は、76万年前にさかのぼるロングバレー噴火で形成された巨大なカルデラになっていて、モノ湖は火口列の北端に位置する火口湖だと考えられている。

 

 周辺から流れ込む川も、湖から流れ出る水もないため、水には海の3倍近い塩分が含まれていて、水質もpH10とアルカリ度が極めて高い。さらに大量にカルシウムが溶け込んでいて、湖底からは炭酸水が湧き出しており、それが鍾乳石のように湖面上に「トゥファ・タワー」と呼ばれる石灰石の柱が立ち並ぶ奇妙な光景を作り出している。

毒に負けない体に進化した線虫を発見

 塩分濃度が高すぎるため、湖には魚は生息できず、塩水湖で生きる甲殻類やヒ素を食べるバクテリアくらいしかいないと考えられてきたが、カリフォルニア工科大の生物学者ポール・スタンバーグ教授が率いるチームは、過酷な環境に適応できる生物の調査を続けている。

 

 先月26日に生物学誌『カレントバイオロジー』に掲載された論文によると、チームはこのほど、高濃度のヒ素の環境でも生き抜ける未知の線虫8種類を発見した。

雌雄同体もいる

 8種類は、微生物を食べるものから、他の生物に寄生するものなどさまざま。しかし、そのうちのひとつ「Auanema sp.」と名づけられた線虫には、オスとメスのほかに雌雄同体の3つの性があることから、繁殖によって仲間を増やすのに有利だという。

 

 さらにこの線虫は、極限の環境下だけでなく、通常の良質な環境でも対応できる生存能力を持っており、極めて柔軟で強靭な遺伝的要素を持っている可能性があるという。

 

 チームは今後、この新種のゲノム配列を解析して、どうやって毒素に負けない体に進化したか、解明したいと考えている。

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