環境

南極のオゾンホール 観測開始以来“最小”に NASA「80年代初め並み」

 

 南極上空のオゾンホールが観測開始以来、最も小さくなったと米海洋大気庁(NOAA)と米航空宇宙局(NASA)の研究チームが発表した。

 

 とはいっても、オゾン層が急激に回復したわけではなく、成層圏の気温が高い状態が続き、低緯度から高濃度のオゾンが流れ込んだのが原因だという。

有害な紫外線をカットするオゾン層

 地上から約10〜50キロの成層圏に存在するオゾン層は、皮膚がんや白内障を引き起こす原因となる有害な紫外線を吸収し、地上の生態系を保護する役割を担っている。

 

 

 オゾン量が極端に少なくなると、オゾン層に穴が空いたような状態になることから、オゾンホールと呼ばれている。オゾンホールは、南半球の冬から春にあたる毎年8〜9月ごろに発生し、9月中旬ごろに急速に拡大してピークに達するパターンを繰り返しているが、今年は9月8日に大きさが1640万㎢に広がった後は、縮小に転じ、観測開始以来、最小を記録した。(動画は2019年のオゾン層のようす/NASA)

嬉しいニュース?

 オゾンホールが縮小した原因について、NASAゴダード宇宙飛行センターで地球科学を研究するポール・ニューマン氏は、「南半球のオゾン層にとっては喜ばしいニュースだが」と前置きしたうえで、「8月末に成層圏で突然気温が上昇したため、 “極渦”と呼ばれる低気圧の渦内部の気温が高い状態が続き、オゾン層を破壊する雲があまり発達しなかったことにくわえて、極渦が小さかったために低緯度から高濃度のオゾンが流れ込んだことがオゾン層破壊を食い止めた可能性が高い」と結論づけた。

オゾンの観測とは

 

 南極上空のオゾン層は、上空に気球を打ち上げて、大気中のオゾン濃度を直接調べるほか、気象観測衛星によって大気中に含まれるオゾン破壊成分の濃度を測定している。

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