宇宙

火星探査機インサイト 穴掘り機がまた立ち往生「せっかく掘ったのに…」NASA

 米航空宇宙局(NASA)によると、火星探査機「InSight(インサイト)」が搭載している穴掘り機が1週間かけてようやく2センチ掘った直後、シャベルが地面から弾き返されたと明らかにした。目標の深さ5メートルに到達するまで、まだまだ先は長い。

 

 通称「モグラ」と呼ばれているこの掘削機は、火星の地震の仕組みや、土壌内部の熱の発生源などを調べるために、NASAとドイツの航空宇宙センター(DLR)が共同開発。

 

 ちょうど1年前の2018年11月にインサイトが火星に到着してから、掘削を開始した直後の今年2月に35センチまで掘り進んだ時点でビクとも動かなくなってしまった。

2月にストップ 8カ月後に再開したのに

 研究チームが数カ月かけて検討した結果、不具合の原因は、穴のまわりの土壌が予想外に柔らかいために、掘削機の足場が安定しないのではないかという答えを出した。事故から8カ月、試行錯誤の末、インサイトのロボットアームについているスコップを使って、掘削機を穴のまわりに押し付けることで、固定させるという妙案を思いついた。

 

 地上からの遠隔操作で、ロボットアームのメカニズムを一部変更した結果、今月初め、ようやく作業再開。今月8日以来、200回以上、ハンマーを振り下ろして約1週間かけてようやく2センチ近く掘り進めた矢先、再びトラブル発生!

 

 地中に半分ほど沈んだパイプ状のセンサーが、ジワジワと浮かび上がって地表に戻ってきてしまったのだ!地上で同じ装置を使って再現した結果、パイプ内部にある掘削用のハンマーを振り下ろした反動で本体が浮き上がり、その瞬間、掘った土がこぼれ落ち、せっかく掘った穴がまた埋もれてしまった可能性が高いという。

 

 NASAジェット推進研究所(JPL)で、この問題を研究しているトロイ・ハドソンさんは「最初にモグラが止まったときにはもうダメかもしれないと思いました。まだ可能性はある。なんとかして方法を探さないと」と言いながら、「こういった苦労が、火星と地球の違いを理解するうえで重要なのです」と前向きだ。

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