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紫色のオシッコが出た!尿カテーテル10日目で驚愕!フランス70歳女性

 脳卒中を起こして病院に運ばれた70歳のフランス人女性は、入院して10日目、カテーテルで採った自分のオシッコが、紫色に変わっているのを見て驚愕した!

 

 米マサチューセッツ内科外科学会が発行する医学誌『ニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(NEJM)』に10月31日に掲載された症例報告によると、仏パリに住む70歳の女性は、脳卒中の影響で、半身麻痺と失語症の後遺症が残り、ビセートルAP-HP病院に入院。

 

 運動障害によって自分で排泄ができなくなったため、カテーテルを入れて尿を排出するようにしていたが、入院10日目に袋の中の尿の色が紫色に変わった。

 

 尿検査の結果、亜硝酸塩が検出され、pHは8とアルカリ性を示した。通常の食事をしている人でも、膀胱内の尿にはタンパク由来の硝酸塩があるが、大腸菌などの細菌が存在すると、細菌が出す酵素の力で硝酸塩が亜硝酸塩に変わることから、クリスチャン・デニール医師は何らかの感染症を疑った。

尿に肺炎桿菌

 そこで尿成分を培養して詳しく調べた結果、「肺炎桿菌(かんきん)」が多いことがわかった。肺炎桿菌は健康なヒトでも、口の中や腸内から見つかる常在菌で、この女性のように抵抗力が落ちた入院患者の場合、尿路感染症や敗血症などを引き起こす。

 

 患者は入院中、さまざまな化学物質や栄養補助サプリを摂取していたため、そのなかに含まれるアミノ酸の一種「トリプトファン」が代謝されて、腸内で「インドール」という物質に変わり、さらに肝臓で「インドキシル硫酸」を合成。

 

 インドールとかインドキシルという名前から想像されるように、これらは藍色の染料として使われるインディゴに由来する物質で、尿に排出されると細菌が持つ酵素によって、青と赤に分解されるので紫色のオシッコになるのだ!

 

 実は、紫色のオシッコが出る病気が最初に文献で報告されたのは1978年にさかのぼり、長期にわたって導尿カテーテルを使う入院患者でときどき見られる尿路感染症の症状だという。

 

 この女性の場合は、その可能性が低かったため、生理食塩水の点滴を4日間続けたら、オシッコの色もpHも正常に戻った。しかし、脳卒中による言語障害や運動機能は戻らないため、現在も長期療養施設で治療を受けているという。

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