宇宙

高度1万mで雷に遭遇したパイロット 稲妻が宇宙に向かう謎(動画)

 

 積乱雲が近づくきざしがあったら、速やかに頑丈な建物内に逃げて!というのが落雷から身を守る常套手段だが、先月、メキシコ湾上空を飛行していたパイロットは、飛行機のまわりで雷がバチバチする音を聞いても逃げようがなかった。目の前には超巨大積乱雲スーパーセルが迫っていた!

 

 パイロットのクリス・ホームズさんが先月15日、メキシコのユカタン半島を出発し、メキシコ湾上空を巡航高度1万メートルで飛行中、進行方向50キロほど先に巨大なスーパーセルを発見。操縦席にいながらにして、バチバチという雷の音が聞こえていたが、現代の飛行機は落雷に耐えられるように安全に設計されているため、乗客には安心するように説明したうえで操縦を続けた。

 

超高層放電現象とは?

 飛行機は平均すると年に一度は雷に打たれている。そのためスマホを取り出して、雷を撮影し始めた瞬間驚いた!地上に落ちるはずの稲妻が、上空に向かっているのだ!

 

 これは雷雲から上層に向かって稲妻が走る「超高層放電現象」のひとつ。超高層放電は、発生する高さによって呼び名が変わり、高度50〜80キロの中間圏付近で見られる赤くてクラゲのような円錐状の形は「スプライト」、それより低い成層圏付近に現れるのを「(ブルー)ジェット」という。

2億ボルト!

 地上から撮影された写真では、雷雲から発するジェットの底部分を確認するのは不可能だが、最前列で目撃したホームズさんの動画には、積乱雲の頂上部がハッキリと写っている。

 

 この映像を調べた伊カタルーニャ大学の気象学者オスカー・ファン・デル・ヴェルデ(Oscar van der Velde)さんは、動画を分解して、ジェットの発生過程を明らかにした。それを見ると、最初に青みがかった放電が発生し、稲妻が最も高くまで達すると、次に白い光がゆっくりと出現するのがわかる。

 

 ヴェルデさんは「超高層放電現象は謎が多いのですが、この動画を分析すると、これまで考えられていたより、放電のパワーが強力だとわかります。おそらく電圧2億ボルトはあるでしょう」と話している。

 

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