火山

北海道の十勝岳で火山性地震72回 地殻変動も観測「活動活発化のおそれ」

 今月1日、北海道の中央にそびえる十勝岳で1962年の噴火で生まれた火口付近が震源とみられる火山性地震が急増し、翌日までの24時間に72回発生した。また山体の隆起を示す地殻変動も観測されており、気象庁が注意を呼びかけている。

 

 十勝岳は美瑛(びえい)町や上富良野町、新得町にまたがる標高2077メートルの活火山群。最高峰の十勝岳は溶岩の堆積でできた溶岩ドームで、その北西側には複数の火口が存在する。

1962年の爆発でできた火口

 

 1926(大正15)年4月から5月にかけて、中央火口丘で水蒸気噴火が発生。次の噴火では小規模な泥流も発生したうえ、火口丘の山体崩壊が起きて、雪崩が積雪を溶かして大規模な泥流に発展。上富良野や美瑛の村が飲み込まれて、死者行方不明者144人、負傷者多数、家畜や住居、耕作地に多大な被害が及んだ。

 

 また、1962(昭和37)年6月の大爆発では、噴煙が1万2000メートルに達し、道東の知床や南千島にも火山灰が降り、爆発音が半径190キロ範囲で聞こえた。このときの噴火で、複数の火口が生まれ、このうち62-2火口のまわりには吹き上げられたマグマが冷え固まってできた円錐台型をしたスコリア丘が形成された。

 

地殻変動も観測

 気象庁によると今月1日に火山性地震が発生したのは、この62-2火口周辺で、この日は午後2時ごろ以降、47回。翌3日には午後3時までに44回の火山性地震が観測されている。

 

 また北海道大学が前十勝岳に設置している傾斜計では、1日午前7時頃から翌2日午前7時ごろにかけて、火口方向が隆起する地殻変動が観測されているという。

 

 十勝岳で火山性地震が24時間あたり50回以上を観測したのは、2018年12月以来だという。長期的に見ると2006年以降、山体の地下浅い部分が膨張する地殻変動が観測されていたが、2017年秋以降は停滞した状態が続いていたという。

 

 気象庁は、火山活動が活発化する可能性があるので、今後の活動の推移に注意が必要だとしている。なお、噴火警戒レベルは「活火山であることに留意」を示す「1」を維持する。

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