感染症

インフル新薬ゾフルーザ「耐性ウイルス」拡大の可能性「小児患者は要注意」東大

 2018年に承認された1回の服用で治療が完了するインフルエンザ治療薬「ゾフルーザ」をめぐって、複数の患者からあいついで薬が効きにくくなるように突然変異した耐性ウイルスが見つかった問題について、東京大学などの研究チームは、耐性ウイルスが人から人へ効率よく広がっていく強い感染力を持つことを明らかにした。

 

 東大医科学研究所の河岡義裕教授らは、昨シーズンにA型インフルエンザウイルスに感染した患者から検体を採取し、ウイルス遺伝子を解析。その結果、ゾフルーザを服用した12歳未満の患者から、薬が効きにくくなる耐性ウイルスが見つかった。

 

 さらにゾフルーザを服用していないほかの子供からも耐性ウイルスが見つかったことから、人から人へ空気感染した可能性が高いことがわかった。

 

 次に患者から検出された耐性ウイルスを、ハムスターやマウスなどの動物に感染させてみた結果、体重が減少し、薬が効くウイルスと同じくらい病原性があることが判明。また耐性ウイルスは肺などの呼吸器で効率よく増殖することも明らかになったという。

 

 ゾフルーザをめぐっては、12歳未満の子供を対象に行なった臨床試験で、23.3%の患者で耐性ウイルスができたことが確認されていることから、日本感染症学会は先月「12歳未満の子供は投与を慎重にすべきだ」という提言をとりまとめた。

 

 従来の研究では、耐性ウイルスは薬が効くウイルスに比べて増殖力と病原性が弱いとされてきたが、今回の調査によって同じくらい強いことがわかった。くわえて免疫力が十分に発達していない子供では、耐性ウイルスができやすいことも裏付けられたことから、河岡教授は「小児患者への投与は注意が必要だ」と呼びかけている。

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