宇宙

太陽風は「スイッチバック」で加速していた! 接近中のNASA探査機が新発見(動画)

 昨年夏に打ち上げられたNASA(米航空宇宙局)の太陽探査機「パーカー・ソーラー・プローブ」は現在、太陽に最も近づいた人工物として記録を更新中だ。

 

 これまでの観測により、太陽から噴き出すコロナガス(太陽風)が、磁場の影響を受けて「スイッチバック」と呼ばれる方向転換していた事実をつきとめた。

太陽コロナと太陽風

 スイッチバックというと、ポイントを切り替えるためにZ型に建設された鉄道路線を思い浮かべる人が多いと思うが、太陽を取り囲む大気の層(コロナ)から流れ出す高エネルギーのコロナガスも、放射する途中で曲がっていたことをつきとめたというのが今回の発見だ。

 

 NASAが昨年8月に打ち上げた探査機「パーカー・ソーラー・プローブ」は、7年かけて太陽から約600万キロ上空まで接近し、太陽コロナや太陽風の謎を解明するミッションを計画している。

 

 今月4日に科学誌『ネイチャー』に掲載された4本の論文では、これまでの探査でつきとめられた太陽に関する事実が紹介されており、その1つが冒頭の「スイッチバック」だ。

急加速する太陽風をとらえる

 太陽風は、100万℃以上の高温のコロナから放出された電気を帯びた高エネルギー粒子のことを指すが、その速さは超音速まで加速し、地球に到達すると、地球の磁場が乱れて磁気嵐を引き起こし、オーロラが見られるようになったり、GPSの誤差が発生したり、通信や電波障害の原因となる。

 

 パーカー・ソーラー・プローブはこれまでの探査で、太陽の赤道近くのコロナから吹き出した太陽風を観測。太陽風は宇宙空間に流れ出すと、急激に加速して飛び出すように見える現象に気づいた。研究チームは、この乱流の原因は、磁場の急激な反転によって、太陽風が一時的に太陽に向かう「スイッチバック」が起こって、再び宇宙空間に向かっている可能性があると推測している。(動画は探査機がとらえた太陽風の変化/NASA)

 

 

 子供が描く太陽の絵のように、地球の近くでは太陽風は、放射状にまっすぐ進んでいるが、太陽に近い位置では、太陽の自転に伴って太陽風も回転している。

 

 NASAの研究チームは、太陽風が加速するメカニズムを解明することは、地球にいつ太陽風が到達するか正確に予測し、人工衛星や宇宙飛行士の安全を守るうえで役立つと考えており、探査機の接近によって今後さらにエキサイティングな発見が待ち受けているだろうと期待している。

 

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