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チンパンジーも踊る?「ノリ良いのはオス」8ビートで実験 京大(動画)

 言葉が通じなくても、音楽があれば自然に体を動かしたくなるのは世界共通の文化だが、京都大学霊長類研究所のチームは、チンパンジーも8ビートのリズムに合わせて、自発的に頭を振ったり、拍手や足踏みすることが明らかになった。まさに「音楽は共通言葉」だ。

 

 ダンスや合唱は、時代や国境を超えて、人間社会に共通する普遍的な文化だが、こういった音楽活動がいつ生まれたのか、その起源は歴史的に明らかにされていない。

 

 近年、オウムなど、音声でコミュニケーションをとれる能力がある動物が音楽に合わせてダンスするという報告があることから、聴覚と体を動かす運動には、脳内で強いつながりがあると考えられているが、人間以外の霊長類ではどうなのかはよくわかっていなかった。

 

 そこで、京大霊長類研究所の友永雅己教授と、服部裕子助教のチームは、ロックの演奏で一般的な8ビート(1小節で8回リズムを刻む)のリズム音を作成し、7匹のチンパンジーに2〜3分間聞かせる実験を行った。

 

 

 その結果、7匹すべてが、リズムに合わせて体を動かしたり、頭を振ったり、拍手や足踏みなどの動きを自発的に行った。体を動かしながら、声を上げるようすも観察されたという。興味深いことに、オスのほうがメスに比べて動きが大きく、長い時間体を動かし、ひんぱんに声をあげていたという。

 

 

 実験ではさらに、最もノリが良かったオス1匹を選んで、異なるテンポにも反応するかどうかを調べた結果、テンポが早いリズムでは動きが早く、ゆっくりしたリズムでは動きも遅くなることがわかった。

 

 

 競技ダンスの選手のような正確さではなかったが、ある程度、リズムの変化を聞き分けていることも裏付けられた。しかも音が再生されると、音がないときに比べて、より前のめりで音源に近づく傾向があることも確認されたという。

 

 

 研究チームは、人間だけに特有だと考えられていた音楽の能力は、チンパンジーも共有しており、なかでもオスは野生下で縄張りを守るときに、ひんぱんに声を出してコミュニケーションを取ることから、より音に敏感に反応するよう進化した可能性があると結論づけた。

 

 今後は、音のどの要素がリズミカルな身体運動を誘発させるのかについて、詳しく研究していくとしている。なおこの研究成果は国際学術誌『PNAS』に24日付で掲載された。

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