歴史

黄金の冠つけた女戦士アマゾネス 黒海北方で墓発見!女王か?

  ギリシア神話に登場する勇敢な女戦士として、日本でも漫画やゲームのキャラクターで人気のアマゾネス。長い間、伝説上の存在だと考えられてきたが、ロシア科学アカデミーの発掘調査によって、黒海北方に位置する農村地帯で複数の墓が見つかった!

 

  発掘された4体の女性は、それぞれ年齢は違っていたが、そのうち最も年長の遺骨は頭に黄金の冠状の飾りをつけていた。

伝説の女戦士アマゾネス

 アマゾネスは、日本では仮面ライダーをはじめ、ロールプレイングゲームやファンタジー小説などに数多く登場する強い女戦士として知られるが、その名前から、ブラジルのアマゾン川流域が起源だと誤解している人も少なくないはず。

 

  神話のなかでアマゾネスは、ヘラクレスに子種をねだるエピソードなどで知られるが、部族が住んでいた「スキュティア」は、紀元前7〜同3世紀ごろ黒海北岸からカスピ海までの草原地帯を支配した騎馬民族スキタイ人の遊牧国家だと考えられている。

4人の墓

  ロシア科学アカデミー考古学研究所のグリャエフ・ヴァレリー・イワノビッチ教授が率いる遠征隊は2019年、ウクライナとの国境に近いヴォロネジ州オストロゴシュスク地区の農村地帯で、直径40メートル、高さ1.1メートルの小高い丘状に築かれた共同墓地を発見した。

 

  墓は頑丈なナラ材(オーク材)の板11枚を十字の形に積み重ねて隠してあって、その下に粘土板が大量に見つかっている。中からは12〜13歳の少女を筆頭に、20代、30〜35歳、45〜50歳の4人の女性の遺骨が発見された。

  十代と20代の墓は墓泥棒が略奪した痕跡があったが、30個以上の鉄の矢尻や馬具、手綱を吊るすための金具、鉄製刃物などの副葬品も見つかった。

 

  一方、少し離れた場所で発掘された年長の2人のうち、30代は足を切断した「騎手のポーズ」で埋葬されていて、腕にはガラスビーズのブレスレットがはめられ、青銅鏡と2本の槍が近くにあった。

金配合率65〜70%の王冠

 最も年長の45〜50歳の女性は、花の飾りが刻印された黄金のベルト状の頭飾りを装着。この冠は65〜70%と非常に高い割合の金と、銀や銅、鉄などの合金製であることも判明した。

 

  スキタイ人の墓は、これまでにも農民が耕作中に畑の中から偶然探し当てたものが多いため、考古学者がゼロから見つけたケースは少なく、今回の発見は保存状態が非常に良好だという。

 

  ヴァレリー・イワノビッチ教授によると、当時のスキタイ人の女性の平均寿命は30〜35歳程度だと考えられることから、頭飾りの女性は例外的に長寿だったことになる。この女性の墓からは、鉄製の刃物と非常に珍しい形の矢尻も見つかっていることから、アマゾネスの王族だった可能性が高いとみられている。

 イワノビッチ教授らの遠征隊は、2010年以降、ドン川流域を中心に発掘調査を続けており、これまでに11人の若い女性戦士の遺骨を見つけているが、今回のように年齢や社会的地位が異なる埋葬例は初めてだという。詳しい年代測定はこれからだが、服装品からは紀元前4世紀の墓である可能性が高いという。

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