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世界初!道具を使う海鳥発見「小枝でボディケアしていた!」英研究(動画)

 道具を使うことができるのは、人間をのぞくと、チンパンジーやオランウータンなど霊長類をはじめとする一部の動物だけだと考えられてきたが、オックスフォード大学などの研究チームが最近、小枝を使ってかゆいところを掻く海鳥を発見した!

 

 この海鳥はツノメドリ。日本でも北海道東部や千島列島などで目撃があるウミスズメ科の仲間で、体長はハトよりも大きな40センチ程度。最大の特徴は、太くて縞のあるくちばしで、根元が黄色で先端が赤い。羽毛の色は、胸から腹は白く、それ以外はタキシードを着ているように黒く、非常に目立つ外見をしている。

背中をカキカキ

『米国科学アカデミー紀要(PNAS)』に先月30日に掲載された論文によると、オックスフォード大学のアネット・ファイエットさんの研究チームは2014年、英国西部のウェールズ州沖に浮かぶスコマー島へ生物調査に訪れた際に、海に面した断崖の上に止まっていた一羽が小枝を器用に使って背中を掻いているようすを目撃した。その間、わずか5秒。鳥はまもなく飛び立ち、研究者の前から見えなくなった。

1700km以上離れた野鳥の楽園

 北大西洋に生息するツノメドリは「ニシツノメドリ」と呼ばれていて、アイスランドでは国鳥並みにポピュラーな海鳥とされることから、研究チームはウェールズ州から1700キロ以上離れたアイスランド最北端沖のグリムセイ島で調査を開始した。

 

 野鳥の楽園と言われるグリムセイ島では、カモメやキョクアジサシと並んで、ツノメドリが多く、「パフィン」の愛称で親しまれている。チームは、南アイスランド自然研究センターの協力を得て、崖の上の営巣地に鳥の気配を感じたら自動的に撮影を始めるセンサーカメラを設置して、観察を続けた。

 

 

 その結果、2018年7月、地面から拾い上げた小枝をくわえて、胸の羽毛を「チョイチョイ」とこする瞬間をとらえた。ほかにも抜け落ちた羽毛や枯れ草を巣穴に運ぶなど、道具を器用に使うことに長けているのがわかった。

 

 ほかの野鳥でも巣作りの材料に小枝を使うことは珍しくないが、身体を掻いたあとの枝を巣穴に持ち込まずに、その場に落としたことから、ダニを駆除したり、痒みを紛らわすための道具として使ったと結論づけた。

 

 

 でも立派なくちばしがあるじゃないか?研究チームはこの問いに対して「日常的に小枝でボディケアしているわけではありません。2018年は海鳥の寄生ダニが大量発生したため、小枝のほうがくちばしよりも痒い部分をかきむしるのに適していることに気づいたのではないでしょうか?」と話している。

 

 チームによると、海の魚を採って生活する海鳥は、泳いだり、潜水能力を進化させてきたかわりに、陸上で暮らす生物に比べると、道具を使う可能性が極めて低く、また人間が観察する機会も限られていた。

 

 今回、遠く離れた英国とアイスランドの別の群れが、似たような行動を取ると判明したことから、「海鳥の知能は、従来考えられていたよりも、ずっと高いかもしれない」として、今後も調査を続けていくとしている。

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