感染症

春節目前…中国の謎の肺炎「新型コロナウイルス」か?日本の検疫体制は?

 中国で25日から始まる旧正月「春節」を前に、湖北省武漢市で感染拡大が危惧されている肺炎の病原体について、世界保健機関(WHO)は9日、「中国当局が新型コロナウイルスの可能性が高いと暫定的に判断した」と明らかにした。引き続き感染源の特定や患者の追跡調査の動向を注視し、要請があれば中国側に技術的支援を行うと発表した。

 

 中国中部の武漢市では昨年12月12日から、原因不明のウイルス性肺炎への感染があいついでおり、今月5日までの患者の数は59人に増加。さらに武漢市を訪れた人が香港や韓国で同様の症状を発症しているという報告がある。

WHOが声明を発表

 こうしたなか、WHOは9日声明を発表し、中国の衛生当局が、武漢市で入院中の肺炎患者から検出されたサンプルをもとにウイルスの遺伝子解析を行った結果、コロナウイルスの新種である可能性が高いと暫定的に判断したと明らかにした。

コロナウイルスとは

 コロナウイルスには、風邪などのありふれた疾患から、「MERS(中東呼吸器症候群)」や「SARS(重症急性呼吸器症候群)」などといった深刻な病気まで引き起こすウイルスの総称で、表面にイボイボのような突起が存在することから、太陽のコロナに似ているとして、この名前がついた。

 

 動物から人へ感染するものもあれば、人から人へ感染するものなど、ウイルスの種類によってさまざまだが、中国当局は、一部の患者では重い症状を引き起こす可能性があるが、人から人には簡単に感染しないという見解を示している。

過去にも大流行が

 中国では2002年に広東省で新型コロナウイルスによるSARSが大流行し、世界32カ国に感染が拡大し、2003年8月までに8000人以上が感染し、このうち774人が死亡した。また、2012年以降、中東地域に居住歴や渡航歴がある人を中心に、ヒトコブラクダが原因のMERSが広がり、韓国の186人を含む2400人あまりが感染している。

 

 今月25日から1週間、旧正月に当たる春節の連休で、中国から30万人ともいわれる多くの旅行者が海外に出国する。日本の厚生労働省は今月7日以降、空港の検疫システムを強化し、武漢市からの帰国や入国者に対して、体調不良がある場合は自己申告するよう呼びかけているほか、サーモグラフィーなどを使って発熱などの症状がないかどうか確認を行っている。

 あなたにオススメの記事

 編集部からのオススメ記事