気象

花?羽?謎多き奇妙な雲「アクチノフォーム」豪州沖に出現 衛星がとらえた!

 冬の朝、冷え切った窓ガラスや凍った水たまりの表面に白い花のような模様ができているのを見たことがないだろうか?

 

「霜の花(フロストフラワー)」と呼ばれ、凍った水蒸気が次々につながって花のような形に成長するもので、地表の熱が放射して気温が低くなる(放射冷却)朝方に見られるが、暖かくなったり、風が吹けば、一瞬で消えてしまう儚い花だ。

謎のメカニズム

 霜の花そっくりに見える写真の正体は「アクチノフォーム」と呼ばれる雲だ。ギリシャ語の「光線」という意味で、海の上でしか見られない。しかも一般に海面から2000メートル以下の低空にしか出現しないので、陸にいる我々が出会うチャンスはほとんどないという意味では、霜の花よりも稀少だ。(動画は2019年5月30日に太平洋中部で観測されたもの)

 

木の葉や羽毛のような形

 その珍しい雲をとらえたのがNASA(米航空宇宙局)と日本、ブラジルが共同運用している地球観測衛星アクア。先月29日、オーストラリア北西沖のインド洋上空700キロ付近を周回中、赤外放射計が「空の花」の撮影に成功した。


 

 アクチノフォームの存在が知られるようになったのは、ここ50年余りのこと。1962年に米国が打ち上げたテレビ赤外線観測衛星TIROS Vがとらえたのが最初で、この雲がどういうメカニズムで形成されるかは気象学者の間でもよくわかっていない。

霧雨を降らす雲

 通常、車輪のスポークのように中心から放射状に伸びる雲が、木の葉や羽毛のような形を形成することで知られ、ときには300キロ先まで広がることがある。一度、アクチノフォームが出現すると、下層では霧雨が何十時間も降ると言われており、気象学者の間ではそこにメカニズムを解くカギがあると研究を続けている。

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