感染症

新型肺炎「汚水配管からも?」香港の高層マンションでエアロゾル感染

 新型コロナウイルスは、もっぱらくしゃみや咳などの飛沫によって感染するとみられているが、香港では青衣(チンイー)島のタワーマンションで、離れた階に住んでいる居住者が汚水配管を通じて空気感染した可能性があることを衛生当局が11日に発表した。

 

 2人の感染が明らかになったのは、青衣島の長康(チョンホン)地区に立つ公営住宅のなかで「ホンメイ・ハウス」と呼ばれる「康美楼」。

 

 香港特別行政区政府の健康保護センター(CHP)の発表によると、患者の1人は、ホンメイ・ハウスの「07号棟」の10階に住んでいる62歳の女性。当局が女性のアパート内を調査した結果、ユニットバスの汚水配管が完全に塞がれておらず、空気が逆流していることが判明した。

 女性の上の階には、先月30日に感染がわかった75歳の男性が住んでいることから、当局は男性患者の便に排出されたウイルスで汚染された水が配管を通じて拡散した可能性があると指摘し、下水管でつながっている世帯に住む100人以上を避難させて、ウイルス検査を実施したとしている。

 

 香港では、2003年にも九龍湾にある高級住宅「淘大花園(アモイガーデン)」で、汚水や空気の逆流を防ぐU字管が整備されていなかったり、汚水管がひび割れていたことが原因でSARS(重症急性呼吸器症候群)の集団感染をまねいている。

 

 米メリーランド州のジョンズ・ホプキンス健康安全センターの専門家アメシュ・アダルヤ博士によると、集合住宅の配管システムに漏れや破損がある場合、ウイルスが「エアロゾル化」して拡散される可能性があると指摘している。

 

 エアロゾルとは、空気中に浮遊する霧状の微細な粒子のことで、温泉や加湿器、24時間循環式浴槽などに存在するレジオネラ菌の感染などが一般的だ。

 

 中国疾病予防管理センターは、これまでのところエアロゾル感染の可能性について「科学的根拠はない」として否定しているが、一方で上海市や武漢市でも「可能性がある」との見解を示す研究者があいついでいる。

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