環境

不気味な「血の雪」南極基地周辺に広がる異常事態!

 南極大陸西部では先月6日、観測史上最高の気温18.4℃を更新した。南極半島沖のシーモア島でも20℃を上回る気温も報告されており、地球温暖化の深刻さが浮き彫りになった。こうしたなか、ウクライナの観測基地では、周辺に積もった雪が真っ赤な血の色に染まった!

 

 ウクライナ教育科学省は2月25日、ガリンデス島にあるヴェルナツキー観測基地の周囲に積もる雪の層が血の海のように赤く染まったとFacebookに投稿した。

 

 ガリンデス島は南極大陸最北端に位置し、元は英国が所有していたファラデー基地と呼ばれていたが、1996年にウクライナが観測体制を引き継いだもの。

ラズベリー・スノー

 調査隊によると、基地周辺では過去数週間にわたって「ラズベリー・スノー」と呼ばれている珍現象が続いており、その光景は一種猟奇的。生物学者のゾトフ氏は赤い雪を顕微鏡で観測し、正体をつきとめた。

 

 冬の間に雪と氷のなかで休眠していた「クラミドモナス」が、気温上昇によって、氷が溶けた水のなかで繁殖。光合成によって、細胞内にカロテノイドという天然成分が蓄積し、雪を赤く染めたという。

エビやカニと同じ成分

 クラミドモナスは「氷雪藻」という緑藻類の一種で、なかでも「クラミドモナス・ニヴァリス」は、緑藻ではあるものの、アスタキチンサンという赤い色素物質を細胞内に作り、紫外線から自分自身を保護しているという。

 

 アスタキチンサンは、エビやカニ、鯛などの体を赤くすることでも知られる成分で、優れた抗酸化力を持っていると言われ、健康補助食品に配合されることでも有名だ。

スイカの香り

 氷雪藻が作る赤雪は、古代ギリシアの哲学者アリストテレスが『動物誌』でも言及している古くから見られる現象で、中世ヨーロッパではアルプス山脈でも記録がある。

 

 かつては雪が古くなってウジが湧いたせいだと考えられたり、岩からしみ出したミネラル成分だと憶測する人もいたが、19世紀末に光学顕微鏡が発達したおかげで、緑藻の大発生が原因だと突きとめられた。

 

 ウクライナの観測隊は「ラズベリー・スノー」と呼んでいるが、英語圏では「かすかにスイカのにおいを感じる」という理由で「ウォーターメロン・スノー」と呼ぶ人もいるそうだ。

 

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