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まるでシャム猫!?高知には奇妙な毛のマントヒヒがいる 京都大が謎解明

 高知市が運営する「わんぱーくこうちアニマルランド」をご存知だろうか?市中心部にあるこぢんまりとした動物園だが、入園無料で98種600頭近い動物たちが間近に見られる人気のスポットだ。そこで生まれたシャム猫のような毛並みを持つマントヒヒ「シーマ」の謎が、京都大学霊長類研究所の研究で解明した。

 

 今年26歳を迎えるシーマは、1994年に同園で誕生したオスのマントヒヒ。当時は体が真っ白で、生まれつきメラニン色素を作れない遺伝子疾患「アルビノ」だと考えられてきた。

マントヒヒの体毛は

 通常、マントヒヒの赤ちゃんは体毛が黒か焦げ茶色をしており、成長するにつれてオスは銀灰色、メスは茶色に変化するが、シーマの場合は2歳ごろから部分的に色がつき始め、おとなになった今では手足の先としっぽ、顔の一部が灰色になっており、まるでシャム猫のような配色だ。

 

 シャム猫の場合、メラニン色素を作るチロシナーゼ遺伝子が変異していて、体温が低い部分でメラニンが多く作られることから、手足や鼻の先、しっぽなど突き出た部分だけ、毛並みが焦げ茶色になることがわかっている。

 京大霊長類研究所の古賀章彦教授とアニマルランドのグループは、シーマの体の色にも、この遺伝子が関係しているのではないかと疑って、糞から採取したDNAを使って遺伝子解析を実施。

 

 通常の体毛をしているメスのマントヒヒ「ポン」のDNAと比較した結果、予想したとおりチロシナーゼ遺伝子の365番目のアミノ酸が変異を起こしていることをつきとめた。ポンでは、アラニンだったアミノ酸が、シーマの場合はトレオニンに取って代わっていたという。

人間だったら…

 古賀教授は「ヒトの場合だったら、365番目のアミノ酸が変化していたとしても、体毛が少ないので温度の影響がわからなかったでしょう。しっぽがあって体毛の豊富なサルだからこそ、独特の体毛の理由が解明できたのです」と述べたうえで、「体の色は、生物の生存競争にとって大切です。ホッキョクグマは真っ白だからこそ、雪氷で覆われた極地に進出できた。シーマの体の色も環境が変われば、有利な点があるのかもしれませんね」とコメントしている。

 

 なおこの研究は来月、カナダの国際学術誌『Genome』に掲載される予定だ。

 

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