感染症

新型コロナ「夏には終止符?」9割が気温3〜17℃で感染 米MIT研究

 世界的な流行が続く新型コロナウイルスについて、米国マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究グループは、「世界の感染の90%が平均気温3〜17℃で発生している」という中間報告を発表した。平均気温が18℃、1㎥あたりの湿度が9グラム以上の高温多湿地域では、発生率が6%未満にとどまっているという。

 

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴って、今夏に予定されていた東京五輪パラリンピック大会の開催が、遅くても来年夏まで延期されることが決まった。一方で、新型コロナウイルスは、インフルエンザのように夏に終息するかという点に注目が集まっている。

来年に延期される五輪はいつ?

 国際ジャーナル『ソーシャル・サイエンス・リサーチ・ネットワーク(SSRN)』に掲載された研究報告によると、MITのカシム・ブハーリー氏(Qasim Bukhari)と、ユースフ・ジャミール 氏(Yusuf Jameel)のグループは、中国・武漢市で感染が最初に報告された昨年12月から今年3月22日にかけて、世界各国で発生した約32万件の症例を分析し、感染が起きた場所の気温と湿度との関係を調べた。

 

 その結果、症例の90%が平均気温3〜17℃、1㎥あたりの空気中に含まれる水蒸気量が4〜9グラムの国や地域で起きていることが明らかになった。一方で、平均気温18℃以上、絶対湿度9g/㎥を超える国・地域で報告された症例は6%未満にとどまっていた。

6月になれば…

 研究グループは「新型コロナウイルスは高温多湿の気候では拡散しにくくなる可能性を示している」としたうえで、北米大陸やヨーロッパの大部分で、湿度が高くなる6月以降は感染の広がりが抑制されると期待を寄せている。

 

 とはいえ、モンスーン気候の東南アジアでは3月15日以降も、気温18℃を超える地域で1万件を超える感染が報告されている。さらに蒸し暑い季節になれば、バーやイベントなどを訪れる機会が増えて、他人との距離が近くなるおそれもある。

 

 この研究はあくまでも中間段階での発表なので、時間の経過によって感染状況がどう変化するかが注目だ。研究グループは「北欧諸国や米国・カナダ北部では、平均気温が20℃になるのは7月〜9月までと限定されている。同時に感染拡大を遅らせるためには環境要因だけでなく、社会的な努力を続けなければならない」と話している。

インフルエンザの場合は

 米テネシー州ヴァンダービルド大学の感染症の専門家ウィリアム・シャフナー教授は、この研究報告を受けて「期待が持てる内容だ」と評価している。

 

 シャフナー氏は、インフルエンザに代表される呼吸器ウイルスが、高温多湿の気候で減少するのかという理由については正確には解明されていないとしながらも、喉の奥にあるウイルスが空気中に放出される際に、湿度が高い環境だと、ウイルスの周囲を微小な粒子の水分が覆うため、その重みで地面に落ちるが、冬の乾燥した気候だと、ウイルスを覆う水滴が蒸発し、長時間空気中に浮遊しやすくなることから、近くにいる人が感染しやすくなると指摘している。

 

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