感染症

新型コロナ「武漢解除が早すぎると第二の流行が来るかもしれない」英研究

 世界的流行が続く新型コロナウイルスについて、中国・湖北省政府は、流行のピークが過ぎたとして、25日から省内の封鎖措置を解除し、感染拡大のきっかけとなった武漢市についても来月8日に解除する方針を発表している。

 

 しかし、英ロンドン大学の公衆衛生と熱帯医学研究機関のグループは「武漢市の規制解除が早すぎると、場合によっては第二の流行につながる可能性がある」として、規制解除は段階を踏んで行うべきだとする研究成果を発表した。

武漢市で感染拡大したシナリオ

 医学誌『ランセット』に今月25日付で掲載された報告によると、ロンドン・スクール・オブ・ハイジーン&トロピカル・メディスンのキーシャ・プレム医学博士らのグループは、「数学的モデリング」という手法を使って、あらゆる状況を想定して武漢市で感染が拡大するシナリオについて検討した。

 

 それらのシナリオは、春節休暇に学校や職場が休みになるシナリオや、武漢市の出入りを封鎖する措置など、現実にあったことを反映している。さらに、年齢や世代別に、市民がどんな場所でどのくらいの頻度で会話するかというデータを加えてシミュレーションを実施。

接近、接触を避ける

 その結果、春節期間中に学校と職場が休みになっても集団感染の流行にはほとんど影響を及ぼさなかった代わりに、他者との接近や接触を避ける対策は、流行のピークを先延ばしにし、感染者の数を減少させるのに効果があることを確認した。

 

 しかし、人と人との「社会的距離」を確保する措置を3月上旬に解除した場合、流行の第二波が8月に発生する可能性が高くなることが予測されている。反対に、この措置を4月上旬まで伸ばし、その後は、段階を踏みながら徐々に平常の生活に戻すことで、極端なピークを作らずに、流行曲線をなだらかなに保つことも可能だとしている。この場合、感染者数の中央値は24%減少すると予想されている。

 

 研究者によると、シミュレーションでは1人の感染者が多数に集団感染させる「スーパー・スプレッダー(中国語で毒王)」の存在を考慮に入れていないため、予測には限界があるとしているが、この研究成果が中国以外の国でも役立つと話している。

 あなたにオススメの記事

 編集部からのオススメ記事