防災知識

首都直下地震 火災被害の切り札になるか?「感震ブレーカー」普及へ

 将来予想される首都直下地震では、火災によって最大で約43万棟の住宅が消失し、1万人以上の死者が出ると想定されている。有識者で作る政府の検討会は31日、木造住宅が密集する地域での火災延焼を防ごうと、揺れを感知したら電気を遮断する「感震ブレーカー」の普及を進める具体的な対策を打ち出した。


 今後30年間で7割の確率で発生するとみられる首都直下地震では、最大で建物の全壊・焼失約61万棟、死者約2万3000人の被害がみこまれている。このうち、火災による被害は43万棟、1万6000人と全体の7割を占める。


 しかし阪神大震災や東日本大震災のように、大規模地震が発生した際には、十分な安全確認が難しいうえ、停電復旧後にスイッチが入ったままの電気ストーブなどから出火する「通電火災」の危険性も高い。


 政府の有識者会議は31日、センサーが揺れを感知したら電気を遮断する「感震ブレーカー」を普及・推進する計画をまとめた。計画では、木造住宅が密集している東京の墨田区や品川区、神奈川県の横浜市など141地区の32万世帯を対象に、感震ブレーカーの設置率を、今後10年間で25%まで引き上げることを目標にしている。

 
 感震ブレーカーには、▽揺れでおもりが落下し、ブレーカーを作動させる「簡易タイプ」と、▽接続された電気器具だけを遮断する「コンセントタイプ」、▽内蔵センサーで揺れを感知する「分電盤タイプ」など、性能によって3種類あるが、設置には工事費を含めると数千円から7~8万円と幅がある。


 このため計画では、優先度が高い木造住宅密集地域をモデル地域として選んで、簡易タイプの感震ブレーカーを設置してもらい、モニター調査や情報提供を通じて普及啓発活動に結びつけるほか、設置費用の一部を補助するといった制度の導入についても引き続き検討していくとしている。
 

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