歴史

68年前の津波の生き証人が絵本を出版 熊野

 三重県熊野市に住む元中学校長の鈴木美文さん(75)が今月、68年前に故郷の二木島を襲った1944(昭和19)年の昭和東南海地震での津波体験を絵本「つなみじぞうのあるまち」として自費出版した。絵本は、市内の保育所や幼稚園、小中学校、図書館などに配布された。

 

 当時6歳だった鈴木さんは、遊びに出かけた友人宅で被災。母親に手を引かれて避難した高台から、津波が集落を繰り返し襲う様子を目撃した。二木島では津波の高さが8メートルに及び、5人が亡くなったという。


 鈴木さんは、これまでも子ども向けに自身の体験を綴ってきた。2冊目の体験記を発刊した2011年1月の直後に東日本大震災が起きた。被災地の惨状を見て「ひとりでも犠牲者を少なくするために、備えをせなあかん」と思い立ち、かつて5、6年生向けに書いた体験記を、小学1年向けの絵本にし直した。描いた内容は、全て事実だという。


 昭和東南海地震が起きた当時は、国内が戦時中の情報統制下にあったため、地震と津波の被害の記録はあまり多く残されなかった。

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